アーユルヴェーダの毎日
【しあわせの定義】
アーユルヴェーダとは、アーユス(生命)とヴェーダ(真実)が組み合わさった造語です。
生命の働きを解き明かして、健康でしあわせに生きるためのアドバイスが溢れている、アーユルヴェーダ。
では、“しあわせ”とは、どんなことなのでしょう?
今回はアーユルヴェーダから少し離れて、心理学者アブラハム・マズローの
「自己現実論」をご紹介します。
自己現実論の“欲求段階説”は、人間の基本的欲求は5つの段階にある、としています。
一番下の段階は「生理の欲求」。
生命を維持するための本能的な欲求で、食事・睡眠・排泄など。
二番目は「安全の欲求」。
安全性の確率や経済的安定性、そして良い健康状態の維持など、予測可能で秩序立った状態を得ようとする欲求です。
三番目は「社会欲求と愛の欲求」。
生理的欲求と安全欲求が十分に満たされると、この欲求が現れます。
自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚を求めるようになるのです。
他者に受け入れられている、どこかに所属しているということや愛を求め、満たされないと孤独感や社会的不安、そして鬱の原因にもなってしまうことも。
4番目「承認(尊重)の欲求 」。
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求が生じます。
低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、注目などを得ることによって満たすことができます。マズローは、この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険だとしています。
高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視されるようになります。
5番目「自己実現の欲求 」
自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化したいと思う欲求。
自分がなりたいものを目指したい、という欲求。すべての行動の動機が、この欲求に帰結されるようになります。
これら5つの欲求が満たされた「自己実現者」には、以下の15の特徴が見られます。
1. 現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
2. 自己、他者、自然に対する受容
3. 自発性、素朴さ、自然さ
4. 課題中心的
5. プライバシーの欲求からの超越
6. 文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
7. 認識が絶えず新鮮である
8. 至高なものに触れる神秘的体験がある
9. 共同社会感情
10. 対人関係において心が広くて深い
11. 民主主義的な性格構造
12. 手段と目的、善悪の判断の区別
13. 哲学的で悪意のないユーモアセンス
14. 創造性
15. 文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越
いかがでしょうか。
自分に自信を持ち、なりたい自分を目指している時がしあわせなのかな、と思ったりもします。
そして自分だけでなく、周りの人間も愛せるようになるのがしあわせへの近道かもしれませんね。
そしてそんな考え方はアーユルヴェーダとも親和性がとても高いのです。
自然と、動物と、目の前の人を自分と同じように大切に感じ、共存することを目指すのが、アーユルヴェーダですから。
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