アーユルヴェーダの知恵
息の吐き方だけでカラダが変わる 。身につけたい「呼吸法」
息を抜く、息が詰まる、息を呑む、息が長い、虫の息・・・
どの言葉も、その人の状態がよく分かる言葉ですね。
「息」は精神と身体、両方が深く関わってその様子が変わることを、私たちは昔から知っていたよう
です。
だからこそ呼吸を変えれば、カラダも変わる。すぐに実践できる、不調を改善する呼吸法をご紹介します。
不安や緊張を取り払う呼吸
ナーディー・ショーダナ呼吸法といい、片鼻ずつ行う方法です。
緊張でナーバスになったり、眠れない時など、ヴァータ(風のエネルギー)を鎮めてリラックスしたい時に有効。
1、 右鼻孔を右手の親指でふさぎ左の鼻腔から6秒かけて息を吸う。
2、 6秒止めた後、今度は左鼻孔を右手の薬指でふさぎ右の鼻孔から6秒かけて息を吐く。
3、 そのまま右の鼻腔から6秒かけて息を吸う。
4、 6秒止めた後、今度は右鼻孔を右手の親指でふさぎ、左の鼻腔から6秒かけて息を吐く。
5、 これをワンセットで4~5セット行う。
呼吸の音が聞こえないくらい静かに行ってください。
これで副交感神経が優位になり、カラダが緩むのを感じるはず。眠る前に行うと、深い睡眠に導いてくれます。
イライラを取り除く呼吸法
シータリー呼吸法といい、舌を丸めて行う呼吸法。
カッとしたり、イライラしたときに上がるピッタ(火のエネルギー)をクールダウンしてくれる効果が。
1、 舌を丸め、管のようになった舌から息を吸う。
2、 また舌から息を吐き出す。
3、 2秒かけて吸い、2秒かけて吐き出すのを10セットほど行う
吸う息が冷たくなっているのを感じるはず。
この冷たい空気が脳内を巡って、心地よく冷えていくのをイメージして。
苛立ちを感じたとき、行動したり人になにかを言う前に、この呼吸で冷静になってみましょう。
やる気を引き起こす呼吸法
カパラバーディ呼吸法といい、カラダが重くやる気が出ないとき、カパ(水のエネルギー)が上がった時に効果的な呼吸法。
午後、眠くなった時にもオススメです。
「光る頭蓋骨」という意味で、浄化の効果もある、と考えられています
フッフッフ!と息の音が細かく上がるほど、強く短く行う呼吸法です。
1、 鼻からフ!と息を吐く。
2、 吐くときにお腹を背に打つように激しく行う。
3、 吸うときも素早く吸い、1秒に2回は吸って吐いてを繰り返す。
4、 50〜60回ほど繰り返す
短く激しく行うことで、カパのどよんとしたエネルギーに火をつけて、代謝もアップ。
燃え上がる炎をイメージして、やる気が起きるのを感じてみて。
緊張やイライラは呼吸を浅くする
い呼吸はカラダと心を不安定にします。
心臓の鼓動や汗を止めるのは難しいですが、呼吸をゆっくりにするのはすぐに実践できること。ときどき自分の呼吸に目を向けて、きちんと吸って深く吐いているかチェックしてみてください。
時には息を止めている自分にも気づくはずです。
呼吸は「私」と「私をとりまく世界」とのエネルギー交換。
無意識にもできるものですが、ときどきしっかりと見つめて、自分のカラダとこころのバランスを取るつもりで呼吸してみてくださいね。